今回のEp.8で、”古谷大地のカナダ修行”のストーリーは最終回となる。
カナダトリップで感じたカルチャーの違いや、スキーヤーとして新たに経験したことなどを振り返る。
コンペディションの連戦の裏側や人との関わりのエピソードも綴っていく。
古谷大地 ふるやだいち
<Instagram @daichi_furuya >
2001年生まれ ニセコ在住
小学生の頃にモーグル競技を3年程経験し、その後中学生の頃に地元のニセコモイワスキー場でフリースキーのキャンプイベントに参加してフリースキーの魅力を知る。
現在はニセコを拠点にフリーライドスキーをメインに大会を転戦し、BONZ crewの仲間達と共に撮影活動を行う。
戦績
2018年 Japan Freeride Open Jr.部門優勝
2023年 FWQ 2* Kicking Horse 22位
古谷大地のカナダ修行 Ep.8
-今回のカナダトリップで感じたこと-
自分としては今回カナダに行ったことが初めての海外だったので様々なことを経験することができました。
生活面に関して思ったことは、日本とは違ってみんな大体適当(笑)。壊れかけの車に乗っていたり、バスは全然時間通りに来なかったり(笑)。
それでもみんな別に遅れているからといってイライラしている様子でもなく笑っていたりして平和だなと思いました。
また、働いている人も楽しそうに仕事をしていました。例えばスキー場のリフト係の仕事をしている人は音楽をかけたりしながら、お客さんには「今日調子どう?」などの他愛のない会話をして仕事を楽しんでやっているように見えて、こういうのはすごく大事なことだなと思いました。
こちらがお世話になったシェアハウス。オーナーのジムはとても優しくて快適に過ごすことができました。
この部屋に今回のトリップを共にしたよーすけ君と過ごしました。
オーナーが飼っている二匹の猫(笑)。自分はあまり猫は好きではなかったのですが、ずっと一緒に生活をしているとかわいくて癒されました(笑)。
スキーに関しては本当にたくさんのことを感じることができました。
まず山のスケール感。山自体がとても大きくて、でかいクリフがスキー場の中にたくさんある。そんな中で小学生くらいの子も自分たちと同じサイズのクリフを飛んできたりしたのには驚かされました。
そんな環境の中で小さい頃から滑っている彼らとはそりゃ当然差ができるよなーと痛感しました。
レベルストークに来た最初の頃は日本のスキー場ではなかなか見ないサイズのクリフを見て、「いや、あんなの飛べないっしょ」と思っていました。ですが、ずっとそのような環境の中で滑っていると感覚がいい意味でマヒして気づいたら全然飛べるようになっていたので自分にとってレベルアップに繋がりました。
フリースキー界のスーパースターであるお二人にも会うことができました!
(上)Chris Benchetler、(下)Sammy Carlson
二人ともとても気さくで優しかったです。
こちらの写真の真ん中のクリフがレベルストーク名物の通称「ハイダイブ」と呼ばれているクリフです。
こちらの写真がハイダイブを上から見た様子です。
こちらのリンクがハイダイブを飛んでいる映像です。→
https://www.instagram.com/reel/CoT-LGAuADm/?utm_source=ig_web_copy_link
また、コースがとても長くて、しかも今シーズンのレベルストークは例年と比べて雪が全然降らないこともあってほぼ毎日カチカチのロングランをしていたので体も自然と鍛えられました(笑)。
↑もちろん食材のサイズにもびっくりしました(笑)。
大会でも日本との違いがありました。日本やヨーロッパではインスペクションは基本的にコースに入ることにできない、対面から見るだけのビジュアルインスペクションですが、カナダ、アメリカではコースに入ることができるオンインスペクションでした。
選手としてはコースに実際にコースに入って地形を確認できるのオンインスペクションはありがたい。ですが、コースを対面からみて自分で地形を想像して大会に挑むビジュアルインスペクションの方がスキーヤーとしての経験値は高くなると思う。どちらにも良いところ、悪いところがあると思うので一概にどっちがいいとはうまくいえない。。。
もう一つ違う点は、日本やヨーロッパの大会ではアバランチギアの装着が義務ですが、カナダ、アメリカの大会ではアバランチギアを装着する必要がないこと。これはなぜなのか?疑問でした。
装着するのが義務ではないので、欧米の選手はつけていませんでしたが僕たちや、ヨーロッパ、NZの選手たちはアバランチギアをつけて滑っていました。
同じFWTという団体の中なのに地域によってルールが違うのはおもしろいなと思いました。
今回初めて海外の大会に出てみて、最初は正直全く自分の実力では通用しないのではないかと不安でしたが、実際のところは意外とビビらずにクリフも飛べたり、大会のランも他の選手たちにも認めてもらうことができたので全く通用しなかったというわけではなく、まだまだですが渡り合えることはできると感じたので自信には少し繋がりました。
大会をまわっていくなかで自分がいける、いけないは別として、だんだんとトップになる選手は大体このラインを行くんだろうなというランの想像ができるようになりました。トップ3周辺に入る選手というのは一肌違っていて、さすがのランをしてくるので自分もその枠に入れるようにもっとうまくなりたいと思いました。
今回カナダで滑ったり大会をまわったりしてみて日本で滑っているよりも自分のレベルアップに繋がり、いろいろなことを経験することができたので今後も継続的に海外に行きたいと思いました。
また本戦のFWTという大会に出るためのFWTChallengerという大会に出れる可能性も感じることができたので、自分の中ではまずFWT Challengerに出ることを目標に今後も頑張っていきたいと思います。