L.I.Mとは「Less is More=少ないことは豊か」北欧の荒野でその実力を証明したL.I.Mのレインジャケット

L.I.Mとは「Less is More=少ないことは豊か」北欧の荒野でその実力を証明したL.I.Mのレインジャケット

2010年の夏、スウェーデンとノルウェー、フィンランドの北極圏ラップランドを2か月かけて歩いた。かみさんとふたりで衣食住をバックパックに詰めて歩いた距離は95km。そのときに着ていたのが、ホグロフスのL.I.Mゴアテックスジャケット/パンツだ。真夏の吹雪でテントの中に閉じ込められたとき、氷河からやってくる突風に飛ばされそうになったとき、いつもL.I.Mゴアテックスジャケット/パンツがぼくらの体を最前線で守ってくれた。

北極圏の厳しい環境下で生まれたホグロフス製品なら、どんな厳しい状況に陥ってもぼくらを助けてくれるだろうという期待は、現実となった。

そしてこの春、最新L.I.Mゴアテックスジャケット/パンツと13年ぶりの再会を果たし、一緒に山を歩いてみた。

気温10℃の冷たい雨が降る5月上旬。新緑がまぶしいお気に入りの山へ出かけた。土砂降りの雨を一滴たりとも侵入させないクオリティーの高さ。「GORE-TEX Paclite® PLUS 」はもとより、フードや襟、袖、裾などの創意工夫が防水性をより高めているのだ。

そうそう、これこれ。雨と風を通さぬまま運動強度を上げてもムレずに快適。25レイヤーの透湿性は驚異的で、いつもウェア内をドライに保ってくれた。透湿性が高いので、ベンチレーションはない。ファスナーが2つないだけで軽くてコンパクト。それでもムレそうなときは、ハンドポケットを開けて内側のメッシュ地で換気を促す。

正直なところ、エスケープのない北極圏の歩き旅には2.5レイヤーはちょっと薄いかな? と思った。しかし、まったく心細さを感じることがなかった。透湿性を高めたからといって防水性や防風性が劣ることはない。レインウェアに必要な機能をそれぞれバランスよく高めている。

一日中着ていられる秘密は、関節部に施した立体裁断にある。どんな体勢になっても体が生地に突っ張られることなく、いつもナチュラルな姿勢でいられるのだ。

優れたレインウェアとはなんだろう? 動きやすさ? 撥水性? 透湿性? どれも重要だが、端的に表すならこうだ。

雨、雪、晴れ、曇り・・・天候を気にかけることなく、ずっと着続けることができ、リラックスして自然の中へ入り込む手助けをしてくれる1枚。LIMゴアテックスジェケット/パンツはまさにそんなウェアである。

LIM GTX Jacket Men ¥47,300(税込)
リム ゴアテックス ジャケット

モデル:身長178センチ ジャケットLサイズ/パンツMサイズ着用

防水透湿性素材「GORE-TEX Paclite® PLUS 」採用したシェルジャケット。北欧の厳しい環境下で揉まれただけあって、高い防水性、防風性、立体裁断、フィットするフードなど優れたスペックが目白押しで安心感は絶大。2.5レイヤーの生地は、最高レベルの透湿性を誇り、縦走登山から運動強度の高いファストパッキングやトレイルランニングまで幅広くマッチする。まさにL.I.M=「Less is More=少ないことは豊か」をジャケットに落とし込んだ1枚だ。

フードの内側には、頭部にフィットするソフトシェル素材を配置。風が吹いても、激しく動いてもフードがずれることなく、フォーム入りのツバが高い視認性を確保してくれる。

背中の上部、中央に物干し用のループが備わる。フックが内側にあると、ファスナーを完全に閉められなかったり、裏地に水が染み込んだりとなにかと不便。外側につけることで水切りがよく、素早い乾燥を促す。

袖口にはフードと同じフォーム入りのツバが備わり、外側からの雨風をシャットアウトする。肘にかけてリフレクターがデザインされ、暗闇の中でも存在を主張する。

2つのハンドポケットの内側はメッシュ素材でベンチレーションの役割も。ベンチレーションとポケットを兼務させることで、軽量化とコンパクト化を両立。

 

 

顎や首が接するポイントには、起毛生地のチンガードを配置。たとえ濡れたとしてもひんやりすることなく、快適に着続けられる工夫だ。

肘周りには立体裁断を施している。このようにふわっと風に乗せると、肘の動きを表した自然なシルエットに。体が突っ張ることなく動きやすいデザインを追求。

ポケットのファスナータグは、細引きを結んでラバーコーティングを施したミニマムな仕様。グローブ着用時でもグリップがきいて握りやすい。細かいところまでLIMの理念が注ぎ込まれている

LIM GTX Pant¥39,600(税込)
リム ゴアテックス パンツ

防水透湿性に優れた「GORE-TEX Paclite® PLUS 」採用したレインパンツ。2.5レイヤーのサラッとした薄い生地だが、高い防水性、防風性、立体裁断など優れたスペックが組み合わさり安心感は絶大。最高レベルの透湿性を誇り、縦走登山から運動強度の高いファストパッキングやトレイルランニングまで幅広くマッチする。極力シンプルに最低限の機能を盛り込んだL.I.MLess is More=少ないことは豊か」なコンセプトを凝縮した1枚だ。

 

サイドジッパーは腰まで深く開くため、このようにハイカットブーツを履いたままでもパンツをラクに脱ぎ着できる。

サイドジッパーはダブルジッパー方式で、上部だけ開けてムレを逃すことも。内側にはフラップが付いていて、雨が侵入する心配を軽減。

ウエストは内蔵されたゴムでフィットするリラックス仕様。ベルトループやバックルなどを排除して、ウエストハーネスとの相性もグッド。

 

ジャケットと同様、腰裏に物干しループが付いている。なにげないギミックだが、山小屋やテント場でさっと乾かすときに重宝する。

裾はドローコードで調整し、スナップで留める仕組み。サイドジッパーに沿って、暗闇で光るリフレクターがデザインされる。

膝周りは立体裁断が施され、曲げ伸ばしがストレスなくスムーズ。内側はサラッと滑らかな肌触りなので、トレッキングパンツや肌が張り付く感じがない。

ジャケットは、ハバネロ、ノルディックブルー、デザートイエロー(着用モデル)、トゥルーブラックの全4色展開。トゥルーブラック以外は、自然の中で目立ちながらも北欧らしい上品なカラーリングだ。

  13年ぶりに再会した相棒の進化には目を見張るものがあった。これ以上の仕上がりがあるとしてどこを改善すればいいのか? 正直見当たらない。軽くてしなやかなのに、力強い。それでいて繊細で痒いところに手が届く。ムシムシした夏の低山から、初夏や晩秋の北アルプス縦走までフィールドや季節に縛られることなく手放せない1着になるだろう。

お互いの限界を知るために、また北欧の荒野へ連れて行きたくなった。

 

文=森山伸也

写真=大森千歳

 

 

 

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