ロッソン ミッド ジャケット〔メンズ/レディース〕
https://uplnd.com/products/607473(メンズ)
https://uplnd.com/products/607606(ウィメンズ)
ロッソン ミッド フード〔メンズ/レディース〕
https://uplnd.com/products/607605(メンズ)
https://uplnd.com/products/607474(ウィメンズ)
マウンテンアクティビティーのレイヤリング(重ね着)は、大きく分けて3枚で構成される。
1、汗処理をするアンダーウエア。
2、保温を司るミドルレイヤー。
3、雨風を遮るアウターシェル。
その日のレイヤリングの成功は、2のミドルレイヤーが握っていると言っても過言ではないだろう。クラシックなYシャツからアクティブインサレーション、ウールのセーターまで選択肢がさまざまで、自分のカラダ、体調、フィールドに合わせて微調整ができるもっとも自由なカテゴリーである。そのミドルレイヤーの中でも、もっともポピュラーで、体温調整がしやすく手に取りやすいウエアがフリースである。レイヤリングの仕上がりをプッシュするホグロフスの最新フリースを紹介しよう。
モデル名の「Rossön」とは、スウェーデンの内陸部にある村の名前である。氷河に削られた湖に面し、その上流にはヨーロッパでもっとも美しいロングトレイルと称される「王様の散歩道(クングスレーデン)」が延びる山岳地帯が広がっている。
そんな厳しい北欧の自然で揉まれたRosson Midフリースは、シンプルなデザインの中に、さまざまな機能が盛り込まれている。
特筆すべきスペックは、生地の質感だ。しっとりと滑らかで、光沢とハリがある。リサイクルポリエステル53%に、ナイロン(ポリアミド)36%、ポリウレタン11%をブレンドしたフリース地は、ポーラテック社の「Power Stretch®」とほぼ同じ素材と配合率だ。
適度な厚みから生まれる保温力、汗や雨を体温で乾かす吸水速乾性、4Wayストレッチなどフリースに求められる機能を凝縮したベストな生地といえる。とくに伸縮性は、秀でており、ストレチの戻りがいい。ナイロンのハリが効いているからだろう、長い間着てもノビノビにならない耐久性を備えているイメージだ。
それでは、このフリース生地を高いレベルでひとつにまとめ上げる細かいディテールを見ていこう。
(さらっとした表地から一転、裏地は毛足の長い起毛素材を用いている。羊毛のように繊維の間に温かい空気を蓄え、それでいて通気性に長けている。つまり、温かいけどムレにくい。)
(地面には数日前に降った雪が残る気温5度のハイキングへ。暖かく通気性のある4wayストレッチ素材だからバックパックを背負って歩いても、ストレスなく、背中がドライで快適だった。)
(ポケットが全部で3つある。左胸のポケットと、2つのハンドポケットだ。いずれも内側がメッシュ地になっているので、ファスナーを開閉すれば衣服内温度を調整できるベンチレーターに。メッシュ生地は、リサイクルポリエステル100%で、環境問題への意識が強いスウェーデンらしい地球に配慮したクオリティーだ。)
(4枚の生地を組み合わせた立体的なカッティングで、ピッタリと頭部をやさしく包み込むフード。コールドスポットとなる隙間を作らないシルエットは流石だ。襟が深くデザインされ、バラクラバのように口元まで覆う。適当な厚さなので、そのままヘルメットをかぶっても違和感はない。)
(さらっと光沢がある素材は、アウターの内側で滑りがよく、シェルとの相性も抜群だ。雨や汗を吸って、表面で拡散して、体の熱ですぐに乾かす作用がある。クラシックな旧ロゴが左胸に、左腕に「H」のワンポイントロゴがともに刺繍でデザインされる。)
(天候が穏やかな日は、アウターとして着ることも想定されたRosson mid。適度な防風性、ヤブに負けない耐久性、バックパックの摩擦で毛玉になりにくい耐摩耗性を備える頼りになるフリースだ。)
(シルエットは、誰もが着やすいレギュラーフィット。裾からの冷気が気になるときは、両サイドについた2つのドローコードでつぼめることができる。)
(左胸のポケットは、深くて、大容量。スマートフォンはもちろん、地図やGPS、ヘッドランプなども収納できる。心臓が近いポジションゆえ体温が伝わりやすく、冷気で消耗するバッテリー内蔵のデバイスの携行にもってこいだ。)
生地はなめらかだが、カッティングと縫製は角を強調した無骨な印象。北欧スウェーデンらしい、シンプルで、質実剛健、実用的なデザインに仕上げられている。
空間に閉じ込められた長時間の移動から、激しいアクティビティー、極寒のリフト回し、寝袋での就寝まで、あらゆるシーンでストレスなく、体を保温する。アウターシェルやダウンジャケットの内側へスムーズに流れ込み、ほかのウエアとの相性もバッチリ。そして、円安の昨今、この値段はありがたい限りだ。
Text by Shinya Moriyama
Photo by Chitose Omori