軽量バックパックブームの昨今、フレーム入りの背面メッシュ構造で1kg未満のバックパックというのは魅力的ではないだろうか
まず、フレームがあることの利点だが、パッキングの量に関わらず、重心がある程度一定に保たれることである。
フレームレスのモデルは容量に対して中身が少ない時やパッキングウエイトが重過ぎる場合重心が下に落ちてしまう。もちろんベテランのハイカーやマット等で工夫ができる方にはさほど問題ではないと思うが、エントリーや苦手な人にはこの課題をクリアすることは容易ではない。
重心が偏ってしまうことで、ハイク中にザックが揺れやすく、肩や体へのの負担が増えることや歩行バランスが取りにくくなってしまうなど、マイナスの要素は大きい。
そして、背面メッシュの特徴は言わずもなが背中が涼しいということである。誰もが夏のハイクで経験するであろう背面の不快感、特に暑い日では背面に熱が溜まることで、体温が上がり続けてしまう。それは疲労感の増加や熱中症のリスクに繋がってしまう。
そこを踏まえた上でL .I.M 25/35を紹介していきたい。
25Lで820g、35Lで920gと昨今の軽量ザックと比較すると最軽量な訳ではない。ただ、このモデルは冒頭で紹介したフレームが入っている上に背面もメッシュという軽量ザックのカテゴリでは数少ない特徴を持っている。
フレームと背面メッシュを採用した上で、ボディの素材をフィールドで対応できることを前提に軽量化。
また、サイドポケットやハーネスポケットなどは残しつつも、コンプレッションコードをザック全体をコンプレッションできるバンジーコード(ゴムの紐)にすることでパーツの使用も削っている。
削り過ぎる訳ではなく。快適性を残しつつ最低限のシンプルな構造に収めているデザインは、ホグロフスならではないだろうか。
■LIM 25 全2色 ¥27,500
フィッティングに関しては、軽量モデルでよく見かけるようになってきた胸と肩で合わせるものではなく、昔ながらのしっかりと腰で背負える構造になっている。コルセットのように腰を包み込むウエストハースは締め上げもハーネスの形状は骨盤に合わせ立体的になっており、骨盤の上に乗るようにわせると、腰にしっかりと乗ってくれる。
パッキングの仕様だが、メインはシンプルな一気室。トップを広くしてボトムを細くする事で重さの分散を効率よくするモデルも多いが、あえてアルパインザックのような寸胴な形状でボトム部を広く確保しているのは、背面メッシュ構造特有のフレームが内部に食い込んでパッキングをしにくくしてしまうため内部の広さを確保してくれている。
腰でしっかりと背負える構造のため、多少重心が下に来てしまっても気になる方は少ないだろう。またフレームの形状も内部への食い込みを最小限にするアーチ設計のため干渉が少ないのもうれしい。
メインのほかに、雨蓋のポケット。1リットルのボトルも入る深型のサイドポケット。ドリンクだけでなく、ストックや脱いだウエアの収納にも使いやすい。
ウエストハーネスのポケットは大きく確保するため、ザックとハーネスの間に配置。スマートデバイスやGPS、コンパスや地図も収納できる定番の飴ちゃんだったら一袋分は入ってしまうだろう。
ただ軽量なだけではない、HaglofsのLess Is More(最小限で最大限のパフォーマンスを)のプロダクト理念を詰め込んだ、当モデルをぜひお試しいただきたい。
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Photo/ Futakotamagawa 新井