
Rugged Mountain 60 ラグド マウンテン 60 〔ユニセックス〕¥48,400
Rugged Mountain Q 60 ラグド マウンテン Q 60 〔レディース〕¥48,400
1914年、北欧スウェーデンで生まれたホグロフス。創業のきっかけは、創業者であるヴィクトル・ホグロフ氏が、使いやすいパックを手縫いで作ったことに始まる。
つまり、新作の大型バックパック「ラグド マウンテン 60」は、111年間続くバックパックづくりの集大成とも言えるモデルである。
昨今の山岳用バックパックのトレンドは、軽くて、通気性が良いこと。どのブランドも軽さ=スピードを重視したものづくりへと流れている傾向がある。
しかし、ホグロフスは、いつでも質実剛健で、長い視野を持ち、普遍的で実直なパックづくりを貫いている。

背面パッドは、上下2つセパレートになっていて、肩甲骨にあたる上パッドを上下に動かして、好みの背面長を得られる構造だ。パッドの表面は、ストライプ状のグリップ素材を用いて、背中に吸い付くようなフィット感だ。
ウエストハーネスは、厚くて、太いガッチリしたものをチョイスし、腰へ荷重をしっかりとソフトに伝える。

背面の長さを、44〜56㎝まで無段階で調整できるユニセックスモデル。上部のバックルで中央のベルトを調整するだけで、背面長を変えられる。

テント泊長期縦走の装備をパッキングして、山を歩いてみた。
肩と腰にフィットする背負い心地はさすがだ。露出したアルミフレームが、装備個々の重さでバラバラになる荷重をひとつにまとめあげ、肩、背中、腰へとバランスよく分散してくれる。

バックパック上部をショルダーハーネスへ引きつけて、荷物のブレを防ぐロードリフターストラップ。左が通常のポジションだが、背面長が短い人は特殊な開閉可能バックルを外して右のように低い位置に固定することができる。他ブランドではなかなか見られない多様性を最大限に重視したデザインである。

大柄な北欧人から小柄なアジア人まで、老若男女が心地よいフィッティングを得られるモデルと言えるだろう。

ボトムのファスナーからメイン気室へ大きくアクセスできる。野営地に着いて、トップを開けずにすぐテントやマット、シュラフを取り出せるのはうれしい。

フロントには大容量のポケットが付く。エントランスをコードで絞るだけのシンプルで耐久性のあるデザインだ。白黒の細引きを引っ張れば締まり、グレーのタグを引っ張れば緩む。ワンアクションで操作がしやすく、使いやすい。

2つのサイドポケットも、フロントポケットと同じ仕様だ。深さがあって、トレッキングポールやテントポールなどを安定して固定できる。ボトムファスナーとウエストベルトを連結するスタビライザーストラップが、サイドポケットの最下部で内容物を支えているのが秀逸だった。

スマートフォン用にデザインされたショルダースリーブポケット。各ポケットと同じく、コードで開閉するシンプル設計で使いやすい。

ウエストベルトには、2つのファスナーポケットが付く。行動食やヘッドライト、ウインドシェルなどを入れられる大容量タイプ。

雨蓋(トップリッド)は、取り外して肩がけパックやウエストパックになる。テントを張ったまま山頂を目指すアタックザックとして、また旅先の散歩用に重宝するだろう。
コンプレッションストラップを2本取り外して、ベルトに流用する発想が素晴らしい。

このように雨蓋(トップリッド)を外したままでの使用も可能だ。ロールトップクロージャシステムで装備をまとめられ、ちゃんとロゴも付いているので、このまま別商品として使える完成度の高さ。

メイン生地が厚さ200デニールに対して、ボトムは厚さ2.5倍の500デニール。ともにリサイクルナイロンを100%用いた生地で、PFCフリーの撥水処理を施し、環境に配慮した作りとなる。
また、繊維・アパレル業界において、環境、労働、消費者の観点から持続可能なサプライチェーンを経た製品に付与されるブルーサイン(Bluesign)認証を受けている。

PFCフリーの撥水処理が施されているから多少の雨ならレインカバー要らず。使い手にも、地球にも、作り手にも、みんなに配慮したバックパックだ。

ルックスはシンプル、かつクラシック。だけど、さまざまなギミックが隠されていて、ロングトレイルやバックパッキングへ出かける旅人の背中をプッシュしてくれる。
旅で日常を彩りながら一生をともにできる相棒である。
Text/Shinya Moriyama
Photo/Chitose Omori


