濡れに強い羽毛=ダウンをまとう安心感
防水ダウンジャケット「Spitz Down Hood」

技術がいくら進化しても天然(自然)には敵わない。その代表例が、羽毛=ダウンである。軽くて、保温力に優れ、小さくなる。
グース=水鳥の匂いを取り除くためによく洗浄されたダウンは濡れに弱い。
そんなダウンの弱点を克服したのが、このSpitz Down Hoodだ。

Spitz Down Hood スピッツダウンフード ¥49,500(税込)
耐久性、撥水性の高い2Wayストレッチ素材に800フィルパワーの疎水性グースダウンを163g (size L)封入したダウンフーディー。山岳の厳しい環境下でもアウターとして着用することを想定しているため、風と水を寄せつけないプロテクション性が高いデザインに。厚すぎず、薄すぎず、適度な厚みなのでミドルレイヤーとしても着用でき、一年を通して体を暖めてくれる信頼の高い1着となる。
それでは、ハイスペックを構成する細かいディテールを見ていこう。

アウトドアウエアの専用洗剤を開発、販売する英国のニクワックス社による撥水剤でダウン自体に撥水処理を施している。たとえ、ダウンが濡れたとしてもロフトを維持し、保温性が保たれる。もちろん、生地の表面にも撥水処理(PFCフリーDWR)を施しているので多少の雨雪でも行動できるジャケットだ。

ダウンを封入したチューブ=バッフルは、ダウンの偏りをなくすためストレートではなく凸凹にデザインされている。またその凸凹は縫製ではなく、熱圧着技術でシームレスなバッフル構造を実現し、コールドスポットを極力少なくすることに成功。

厳冬期のBCレイヤリング(ベースレイヤー、フリース、アウタージャケット)を着た上からでもスムーズに着用できるサイズ感と、リラックスシルエット。モデル178㎝、Sサイズを着用。

袖の内側には、ストレッチ素材のパウダースカートが内蔵されている。風や雪が入り込まないプロテクション性の高さが目を引く。

袖と同様に、頭部を覆うフードにもパウダースカートが内蔵。頭部へのフィッテイングを高める効果もあって、心地よい着心地を提供してくれる。

後頭部のドローコードを片手で引くと、中央のコードが締まり、フィット感が高まる。暴風でフードがバタバタする心配がなく、視界も広く保たれる。

重厚なスノー用ヘルメットを着用したままでもかぶれる大きめのフード。ライトなクライミング用ヘルメットならさらに余裕がある。暴風雪でも首元に雪や冷気が入り込まないガード性能は秀逸だ。

左腹の内側には、ファスナーポケットが付き、スマートフォンなどを携行できる。寒い環境下でのバッテリー消費を防止する大事なギミックだ。

ファスナー付きハンドポケットの内側は、このように上からグローブやゴーグルなどを入れるオープンポケットが付く。濡れたもの、凍ってほしくないものを携行するにはうってつけの収納ポケットだ。

フードにもたっぷりダウンが封入され、襟が鼻まで深く覆ってくれる。20デニールの2Wayストレッチ素材は、パリッとした肌触りで、レイヤリングしやすく、シェルのような安心感がある。

フロントのメインファスナーは、下からも開閉できるダブルジッパーシステム。このように下部だけ開ければ、クライミングハーネスやビレイデバイスに干渉することなく、アクティビティに集中できる。また、縦走時はここからウエア内に新鮮な空気を取り入れて、オーバーヒートを防げる。

表生地は、リサイクルポリアミド(ナイロン)86%、ポリウレタン14%の20デニール素材を採用し耐摩耗性が高く、岩場やスキーエッジ、ヘビロテを気にすることなくハードな使用にも耐えられる。それゆえ、重量は654g(Mens/L )と全体的にややしっかりした感じ。つまり、通気性や軽量性よりも、気象的、物理的事象を含んださまざまなプロテクション性を重視したモデルと言える。
厳冬期の雪山登山やバックカントリースキー/スノーボード、アルパインクライミングなど、風雪の中でストップ&ゴーが繰り返されるウインターアクティビティーにて活躍する防寒具である。
モデル名の「Spitz(スピッツ)」とは、ドイツ語で「尖っている」「鋭い」という意味。ホグロフスのスピッツシリーズは、先鋭的な冬季アルパインクライミングやフリークライミングを想定して開発されたテクニカルなカテゴリーなのだ。
Text/Shinya Moriyama Photo/Chitose Omori


